2019 August

 

 
 
7月末に梅雨明けした途端、猛暑日が続く東京。西洋美術館に「松方コレクション展」を見に行く。開館60周年記念展という事もあり大変な人、モネ、ルノワール、ゴッホと大御所の作品とその流転の歴史も興味深い。熱気溢れる会場から抜け出し涼やかな雰囲気の常設展でクールダウン。
神戸の川崎重工を率いた松方幸次郎(1866-1950)は第一次世界大戦による船舶需要を背景に事業を拡大しつつ、日本に美術館を作りたいとの思いに駆られて1916-1927年ころのパリやロンドンで3000点以上もの美術品を買い求める。しかし1927年の昭和金融恐慌のあおりで造船所は経営破綻、コレクションは流転の運命をたどる・・・。散逸、焼失した作品も多く戦後フランスから日本へ、寄贈返還された375点の美術品は1959年、国立西洋美術館が誕生しようやく松方コレクションは安住の地に落ち着く。激動の歴史を生き抜いてきた作品たち・・・。

 

 

 
 
外に出るとあまりの暑さに思わず都美術館のアーカイブで涼む。いつもは通り過ぎている常設展示をゆっくり拝見し思いがけず都美術館の成り立ちを学ぶ。この美術館の設立資金を寄付した北九州の石炭商、佐藤慶太朗氏の銅像を前に前川國男事務所の建築模型を眺める。外は灼熱・・・。

 

 

 
 
軽井沢もすっかり真夏、イギリスのような美しい庭園を持つ美術館ル・ヴァンに「西村伊作の蒔いた種、個性の開花」展を見に行く。日差しが差し込む広々とした空間に文化学院の門をくぐった数々のアーティストの作品が並ぶ。
彫刻家、宮脇愛子氏や人間国宝の染色家、志村ふくみ氏など著名な芸術家の作品を自然の中で拝見するのも新鮮。

 

 

 
 
軽井沢も夏本番、さまざまなお誘いが続く。フランス人のピアニスト、シプリアン・カツァリスのチャリティーコンサートに伺う。ユネスコ平和芸術家でもある氏の素晴らしい演奏とユーモア溢れるトークに会場も和やか、演奏後のティーパーティではパリのお話で盛り上がる。「軽井沢は素敵な避暑地ですね」とすっかりお気に召したよう。

 

 

 
 
expo index あっという間に8月も終わり軽井沢のサマーコンサートもいよいよ終盤、ル・ヴァン美術館でヴァイオリン、チェロ、ピアノのトリオ室内楽を聴く。シューベルトやヘンデルの調べにすっかりリラックス、ルーマニアの民族舞曲もリズミカルで楽しい。美しい夕焼けが広がるお庭でお茶を頂きつつ友人たちとお喋り、夢のようなコンサートの夕べ。 page top

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